こんにちは、いち(@ichigo_ichi_a)です。
最近は電子書籍で読むことが多かったのですが、ふと本屋さんに立ち寄ったときにこの本を見つけて久しぶりに本の衝動買いをしてしまいました。
ホスピス医の小澤先生が執筆された本書。以前SNSで紹介されているのを見たことがあり、前からすごく気になっていた本でした。
実際に読んでみると、想像以上に心に響く素敵な1冊だったので今回記事で紹介したいと思います。
本書の中では、人生に関する17個の問いかけとその答えが書かれています。
- 今の仕事に満足できていない
- 自分が本当にやりたいことがわからない
- 人生について漠然と悩んでいる
書籍紹介【もしあと1年で人生が終わるとしたら?】ホスピス医が伝える人生で大切なこと
- タイトル:もしあと1年で人生が終わるとしたら?
- 作者:小澤 竹俊
- 出版社:アスコム
- 出版年月:2021年3月
帯には「3500人を看取ってきたホスピス医のメッセージ」後悔なく生きるための17のことという紹介が書かれています。
2人目が産まれて、職場復帰してから本当に慌ただしい毎日を送る中で、ふと自分の人生で大事にしたいものについて改めて考えたいと感じ、本書を手に取りました。
人生の意味を考えることは、自分にとって本当に大切なものに気づくことであり、自分にとって本当に大切なものこそが、私たちの人生に意味を与えてくれるのだと、私は思います。
本書 もしあと1年で人生が終わるとしたら?より
- もしあと1年で人生が終わるとしたら
- 人間関係や家族について
- 仕事や夢、目標について
- 人生をもっと楽しむために
上記の4つにチャプターが分かれているので、それぞれ特に心に響いた部分を2つずつ紹介していきたいと思います。
もしあと1年で人生が終わるとしたら
自分の人生に意味があったと思いますか?
「自分の人生の意味とは」と突然聞かれても、なかなかすぐに答えられる人は少ないかもしれません。
本書で著者は「誰の、どのような人生にも、必ず意味がある」と断言しています。
私はこれまで、人生で大切なことは「家族や友人など大切な誰かの助けになること」かなと漠然と思っていました。
しかし、誰かの役に立つことだけを「意味のあること」ととらえると、病気などで頼って生きざるを得なくなってしまったときに「自分は誰の役にも立っていない」と生きる意味を見失ってしまうこともあるといいます。
ここで著者の印象的なエピソードを紹介します。
著者はホスピス医ですが、患者さんの苦しみを和らげることができず、無力さに苦しんだことがあるそうです。しかし、苦しみ悩んだ末に「無力でも患者さんのそばに存在し続けることが大切ではないか」と気づきました。看取ってきた患者さん1人1人が著者の心の支えになっていたことがわかったそうです。
後悔していることはありますか
著者は、どんなに賢い人、判断力のある人、強い人でも、まったく後悔せずに生きることは無理だと言っています。
私たちは「後悔している事実」を受け入れていくしかないのです。
この問いの答えのなかで特に印象に残っているのは、苦しんでいくときに気持ちを分かち合うことでかなり後悔は軽減するということでした。
同じような境遇の人と気持ちを分かち合い「自分は一人ではない」「同じ苦しみを抱えている人がほかにもいる」「自分の苦しみを一緒に味わってくれる人がいる」と思えるだけで、苦しみや悲しみはかなり軽減されるはずです。
本書 もしあと1年で人生が終わるとしたら?より
人間関係や家族について
「自分らしさ」は見つかりましたか?
章の冒頭で「今まで人の目ばかり気にしてきた」「もっと自分らしく生きたい」そんな人はいませんか?と問いかけられるのですが、まさに自分に当てはまり、どきっとしました。
本書では、誰でもそのときに相手にしている相手によって見せる顔が違ってくるのは当たり前と述べられています。
家族の前でくつろいでいる自分だけが本当の自分という考え方ではなく、緊張しているときの自分も自分らしさであると思うことが大切なんだということに気づきました。
「自分らしさ」とは決して「いいときの自分」「好きな自分」のことではありません。「嫌いな自分」も含めたすべてが「自分らしさ」なのです。
本書 もしあと1年で人生が終わるとしたら?より
家族、友人との時間は十分にとれていますか?
「もっと家族との時間を大事にすればよかった」という言葉は、よく人生の最期に口にする人が多いと聞きます。
著者もホスピス医として働く中でよく耳にしていたそうです。
私は大学生のときに最愛の父を病気で亡くしているのですが、家族の立場でも全く同じことを感じました。
「なんでもっと実家に帰らなかったんだろう」「なんでもっと感謝の気持ちを父に伝えなかったんだろう」
10年経った今でもよく考えています。
母には手紙を書いたりしていましたが、父にはなぜか照れくさくて学生時代に手紙を書くこともありませんでした。
結婚式で父に伝えた「今まで育ててくれてありがとう」という言葉が天国に届いているといいなと願っています。
私が大切な人に伝えたいことが本書にも書かれていたので、著者の言葉を引用させていただきます。
もし、家族や友人との時間を大事にしたいと思ったなら、ぜひ今日から、それをしっかりと意識して、生活するようにしてください。意識が変われば行動が変わり、時間の使い方が変わってくるのではないかと思います。
(中略)
今「自分が本当に大事にするべきもの」に気づくことができたのは、とてもラッキーだといえるでしょう。
本書 もしあと1年で人生が終わるとしたら?より
仕事や夢、目標について
今までの仕事や働き方に満足していますか?
著者は子どものときは親の思いとは裏腹に「医者にだけはなりたくない」と思っていたといいます。
しかし、「どうしたら人は幸せになれるのか」と考えさまざまな本を読んだ結果「自分がいることによって誰かが喜んでくれたときに、本当に幸せになれるのではないか」との結論になったそうです。
私たちはどうしても「一人称の幸せ」「わかりやすい幸せ」にとらわれがちです。
しかし、一人称の幸せには限界があり、お金も地位も名誉も何かを手に入れれば、必ず「失う恐怖」がつきまとうといいます。
一人称の幸せを卒業すれば、より大きく安定した幸せを感じることができるようになります。
人の幸せや人の喜びを、自分の幸せと感じることができれば、幸せな人、喜んでいる人の数だけ、どんどん自分の幸せの数が増えていくからです。
本書 もしあと1年で人生が終わるとしたら?より
努力したことにむなしさを感じていませんか?
この章ではある女性の話が出てくるのですが、それがとても心に残る内容だったので紹介します。
その女性は、不妊治療の末授かった小さい子供が2人いる中で末期の胆管がんが見つかり、辛い治療に頑張って耐えたのですが、治療を続けることができない状態になってしまいました。
怒りと絶望でいっぱいになった女性は「努力すれば必ず報われると思って、今まで頑張って生きてきたのに」「こんなことになるなら、不妊治療も病気の治療もしなければよかった」と口にします。
小澤先生はその言葉にただただ耳を傾け、そこから女性の人生を振り返る手伝いをしていきます。
先生とのかかわりの中で女性の気持ちは少しずつ変化していき、「私が病気を乗り越えるために、できる限りの努力をしたということ、それが子どもたちへの愛の証だということを子どもたちに伝えておきたい」と語りました。
努力をしても必ず報われないというのは、病気以外でも現実世界にはたくさんあることだと思います。
しかし、たとえ良い結果につながらなくても「努力をした」という事実は残り、努力をする過程で必ず人は何かを学んでいくといいます。
努力は報われなくても、人生にムダなことは何一つないのです。
(中略)
努力をする過程で学んだことは、結果よりもはるかに大事なのです。
本書 もしあと1年で人生が終わるとしたら?より
人生をもっと楽しむために
自分を追いつめすぎていませんか?
私が子育てと仕事の両立の中で日々感じることは「やらなきゃいけないことが多すぎる」ということです。
本書でも、「しなければならないこと」に追われて人生を楽しむ余裕がなくなってしまう方は多いのでは?と書かれていました。
義務に追われてしまうと、人生は辛くなってしまいます。
そんなときに本書のタイトルについて考えてみて、「これは本当にやる必要はあるのか?」と問いかけてみることも大切です。
「人生があと1年で終わる」と考えると、よけいなものがそぎ落とされ、今の自分にとって本当に大事なことだけが見えてきます。
本書 もしあと1年で人生が終わるとしたら?より
「自分は思い通りに生きられていない」と思い込んでいませんか?
人生を振り返ってみて、自分の思い通りに進んできたと感じる方は少ないと思います。
しかし、本当にそうでしょうかと著者は問いかけます。
人生は1つ1つが選択の積み重ねでできていますが、選択をするときには「より良い」と考えたものを私たちは選んでいると言います。
人は常に自分にとってより良いと思えるものを選んで生きています。
(中略)
今、自分が何かを選べること、その尊さを改めてお伝えしたいと思います。
本書 もしあと1年で人生が終わるとしたら?より
まとめ
仕事や子育てに追われている中で忘れがちな人生の目的について、1度立ち止まって考えさせてくれる本でした。
「誰のどのような人生にも意味がある」という著者の言葉が心に強く残っています。
長いようで短い人生。たった1度しかない自分の人生を後悔なく生きていきたいと改めて思いました。
最後に本書で紹介されている4つのチャプターをのせておきます。
- もしあと1年で人生が終わるとしたら
- 人間関係や家族について
- 仕事や夢、目標について
- 人生をもっと楽しむために
紹介した以外にも小澤先生が多くの患者さんの最期に立ち会う中で感じた、心に響くメッセージがつまっている1冊でした。
人生に悩んだときには何度も読み返したいと思える、素敵な本だったので興味を持った方はぜひ読んでみてください。
今回の記事が少しでもみなさんのお役に立てば嬉しいです。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!